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今できる、SCの売上を守る対策

Vol.3 | 2020年4月

予想もつかない始まり

2020年度は予測や計画が立てにくい状況で始まりました。緊急事態宣言の発令・オリンピックの延期・収束の見えないコロナ禍で、⽇本中、世界中のあらゆる⼈の仕事や⽣活に変化が生じています。SC関係者の皆様からの質問やご相談も3月から4月にかけ、「いつ終わるのか?」から「どうコロナと共に過ごしていくか?」という形になりました。『終わりはすぐには来ない(かもしれない)』という前提に世界が変わりつつあります。
今号では、コロナ禍経緯の再整理と今後の対策・今だからこそできる組織アップデートや働き方の変化推進、今後の発展に重要な人材を育てるセミナーをご案内します。また、『中⼭の視点』ではこの世界を生き残るために必要な考えや、今後伸びる業種(後編)を特集します。ぜひ、最後までお付き合いください。


SCを取り巻く新型コロナ禍を打破する組織アップデートのすすめ

4月8日の緊急事態宣言を受けて、多くのSCが感染拡大の観点から当面休館(一部生活インフラに重要なテナントを除く)を余儀なくされております。 営業時間の短縮、集客を伴うイベントの開催の中止、一部営業店舗におけるマスク着用の啓蒙は各ディベロッパーで行われていますが、ソーシャルディスタンスの具体策(2m以上の距離を確保するためのマーキングなど)は各現場判断で実施しているところも多いと報道がありました。 弊社では現在SCで使用いただけるコロナ対策用デザインの制作を行なっております。また、独自に新型コロナ発生から現在に至る世界的な情勢とSCの対策経緯を一覧に纏めています。
*ご希望の会社には個別にお渡し・説明を致しますのでご連絡ください。
大きな流れとしては、SCは一部が3月に週末休業が発生、4/7(火)の緊急事態宣言を受けて首都圏・関西・福岡で主要SC・百貨店のGW明けまでの休業要請が確定、多くがこれに従いました。一方で、地方や郊外型SCでは時短営業を続けていましたが4/17(金)に全国へ対象拡大となったことで地方での休業も増加。4/27(月)現在で首都圏では概ね8割以上・地方郊外も半数以上が休業しています。店舗の賃料減免・休業補償も首都圏から拡大し、3月に一部実施、4月はその流れが全国に拡大。現在、その流れが継続する中、主に最低保証のカットを中心とした議論になっています。
今回のような未曾有の事態においてこそ、現場で使えるプランとして「BCP(事業継続計画)」の視点でダメージを最小限に抑え、事業を早期に復旧する手法を検討することが、企業と従業員を守る対策の一つではないでしょうか。
現在ある危機を、取引先を含めたステークホルダーとの連携や、関係者の業務環境を深く理解する機会として捉え、「組織をアップデートする手法」が重要です。組織をアップデートさせる手法として、従業員間のコミュニケーションに配慮した計画的な在宅・テレワーク推進による業務効率化と通勤などによるストレス軽減、「SDGs(持続可能な開発目標)」の視点で今の常識を見直し、「こんなふうに地域や社会に貢献したい」を具現化するSCコンセプト・MDプランの見直しを行い、売上をつくるKPI重視の販売促進施策などこれまでつい後回しにしてきたことを整理する必要があります。どこから着手して良いか分からない、専門的な知識や経験がない、などでお困りの方はぜひプロである弊社にご連絡ください。


中山の視点:今後伸びる業種とは(後編)

前編はこちらからご覧ください。
世界を覆う、コロナ禍について多くのSCディベロッパー・テナント様および関係者の方々の日々のご苦労が聞こえてきます。お客様を入れられないSCで、パートナーであるディベロッパーとテナントが賃料減額・休業補償などを話さなくてはいけない現状は、本当に双方がつらく苦しく、誰も望まない事態です。ですが、これは事実です。そして冒頭のコメントの通り、私は「二度と元の世界には戻らない」と考えています。悲観だけでなく、転換という要素を多分に含む意味において、です。東京商工リサーチの調査によれば、上場企業でも1,389社(4/17時点)が営業状況に影響が出ており、約2兆円規模の売上がわずか数ヶ月で吹っ飛んだ計算になります。先月時点で影響が約5,000億円と発表されていました。1ヶ月でその損失は4倍、当然それだけ経済の大元である「人」が動いていないということです。ただ、コロナが完全収束はせずともSCは回復・再開業していくし、しなくてはいけないとも考えています。さらなる詳細は私の新聞インタビューや記事掲載など5〜6月にメディア紙上で発信しますのでそちらもご覧ください。もちろん、いつでもお問い合わせください。電話やオンラインでのご相談にも対応しますし、第三者だからこその客観見通しをお話しいたします。

●この世界を生き残るために

現状、弊社で開発やご紹介させて頂くテナント様でも「出店したい」という店舗様がいらっしゃいます。例えばヘアカラー専門店のCASA COLOR[カーサカラー]様。今も約20店舗をオープン予定としており、既存85店舗と合わせ拡大中です。日経MJなどに取り上げられた2019~2020年の注目業種だけにたくさんのお問い合わせがありますが、既存の美容室などとうまく調整をつけ郊外型SCにも出店できることが魅力です。セルフブローなど一部を簡素化することで利用料金を抑えています。服飾雑貨・飲食・サービスでもこうした勢いのあるテナントが埋もれています。もう従前の世界ではありません。既存の常識を疑い、10年前のMD思想・取引形態・あたりまえを捨てる覚悟と動きが今求められます。現状私の肌感では郊外・地方は出店打診から入居の決定率は1割以下と感じています。それでも、出店できるテナントを探し続け巡り合わせを求め続ける努力を続けられた施設だけが今後も生き残っていくのではないでしょうか。我々もまた、一瞬も諦めず強く未来を求め続けていきます。

●全ては表裏一体 ~伸びる業態やサービス~

コロナ禍でもハッキリしたのは、やはり日常性と非日常性のバランスの大切さです。日常性の高さは一見すると地味に映ります。ただ、こんな時にきちんと支えて頂けるお客様がどれだけいるか、がそのSCの現時点の成績表<市場評価>でもあると考えます。 最後になりますが、今後伸びる可能性の高い業種について。残念ながら世界はしばらく、大きな不況に入るでしょう。非日常性よりも「日常の足りない部分」を補完する店舗が次の波になると考えます。当社としては以前より高齢者向け施設・葬祭関係・病院など買い物以外の部分での時間消費を提案してきました。飲食店でもテイクアウトや宅配と連動ができる業種、もっといえばSC独自のECサイト構築や来館前に情報を提供する仕組み、テナント出店協議をオンライン化するなど今の時代に合わせSCは急速に形を変える必要があります。サービス面でも、Googleマイビジネスの活用で商業フェーズから脱却したリアルな口コミ評価が徐々にSC・テナントでも広がっています。VR/ARにMR(複合現実)・SR(代替現実)を加えた”x”Rが今後の商業施設の主流になる日も遠くないと考えています。どんな事象も表裏一体。苦しい時期が続く中ですが、未来を見据え自社SCの強みをより強く転換点・そしてSC業界の歴史が変わる分岐点として、2020年がSCの歴史に残ることを願ってやみません。


新規オープンのご案内

ステラハリウッドは、「日常をちょっと楽しくちょっと幸せに変えあなたを輝かせる」アクセサリーを販売するブランドです。そのディフュージョンラインであるmauve BY STELLAR -モーヴ バイ ステラ- はファッションを気軽に楽しみライフスタイルを楽しむ女性に向けたアイテムを展開しています。3月27日には小田急ミロードへの出店を弊社と共に実現されました。再開時にはぜひ、ご訪問ください。

エスキューブは、「イージーにわたしらしく。」フィットネスを気軽に、カジュアルに続けることができる施設です。4月1日に岩槻駅西口すぐ、毎日のお買物ついで、お仕事帰りや、スキマ時間にご利用いただける好立地、ヤオコー岩槻西町店2Fでのオープンを弊社と共に実現されました。


セミナーご案内

日本ショッピングセンター協会(SC協会)主催のセミナーは政府の緊急事態宣言および東京都からの要請を受け、弊社代表の中山が講師を務める次のセミナーを含め、延期が決まりました。今後の日程が協会から発表され次第、皆様にもご案内します。
 ●SC基本管理運営セミナー(東京会場)
 ●SC販促・イベントセミナー

SC大学は非常事態宣言への対応と3密を避ける必要性を鑑み、その運営方法を調整中です。


トリニティーズ・NEWS 4月号はいかがでしたでしょうか。本メールのご意見、ご感想をぜひ、トリニティーズにお寄せください