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SC大学体験講座、開講

Vol.1 | 2020年2月

メールマガジン配信開始

この度、トリニティーズではより多くの皆様からの業界情報やニュースを定期的に知りたいというご要望にお応えし、さらなるコミュニケーションを深めるためメールマガジン『トリニティーズ・NEWS』を開始することにいたしました。
自社および業界のトピックと共に、『中山の視点』コーナーでは、弊社代表、中山亮(SC経営士)が独自の視点で業界を見つめた情報もお届けします。
今号のテーマは、『SCビジネスフェア2020から読む業界動向』です。ご一読くださいますと幸いです。


SC大学体験講座を開催

ディベロッパー運営のプロフェッショナル人材を育てる、SC大学を4月に開校いたします(MS&Consulting様と共同運営)。
SC大学では、実践型のカリキュラムを元に、経験年数に合わせて、体系的・専門的な知識を得ることができる様、ベーシック、アドバンス、エグゼクティブの3つのコースをご用意しました。
各コースの詳細はパンフレットをご覧ください。
また、2月末にはベーシックコース、アドバンスコースの体験講義を開催します。お申し込みはここをクリックしてください。

SCビジネスフェア2020、終了

SC業界最大のイベント、SCビジネスフェア2020が開催されました。弊社は、開発・運営リーシングコンサルティングの3本柱をご紹介させていただきました。
今回も新たな出会いがあり、また、旧交を温めることができました。改めて、ご来場の御礼申し上げます。
会場から見えたSC業界の動向は、『中山の視点』をご覧ください。


中山の視点:SCビジネスフェア2020を振り返る

●SCビジネスフェアに出展して

今年もSC業界最大の展示会、第44回日本ショッピングセンター全国大会(SCビジネスフェア)が横浜・みなとみらいで開催されました。3日間(1月22日~24日)で延べ56,910人が入場し、昨年からはやや微減でしたが今年も盛況に閉幕しました。
弊社も出展していましたが、今年はいくつかの特徴を感じました。①サポート企業・異業種からの初出展増加、②リーシングへの期待の増加、③テナント企業(特にアパレル)の減少です。ITをはじめとしたシステムが本格的にSC業界へ入り始めたことでシステム系企業が増加し、ブースを拡大。SC Tech Forumと称してデジタルやIoT・決済を主とする企業の集積ゾーンも増えました。内装会社・コンテンツ(ガチャガチャやゲームなど)の企業も増加した結果、昨年の253社・564小間から244社570小間となり『参加企業の減・ブースの拡大』が顕著な年でした。
申込は8月には満員締切となり、日本SC協会でも来年からは会場を1.3倍(約1000坪)増やしていくと発表がありました。ただ、現実的には混雑しているブースと比較的閑散とするブースが双方目に付き一部の会社に商談が集中しているようでした。

●今回の注目すべき課題は「リーシング」

今年の特徴の一つに『リーシング期待の激増』があります。テナント側が出店先を確保するのに一生懸命だった10年前とは隔世の感があり、ディベロッパー側からの依頼にも出店側が応えられない状況を目の当たりにしました。テナント側の原因として“3高・3ない”があげられます。3高=工事費・人件費・仕入、3ない=人(スタッフ)がいない・FC先がない・稟議が通らない。また、賃料水準・原材料費・工事費高騰のさなか店舗売上が特に服飾では低空飛行、テナントの利益率低下が拍車をかけている印象でした。テナント側は退店するのにも当然原状回復など費用がかかります。隣のSCへ移転します、と気軽に(もちろん当時もご苦労があったと思いますが)言っていた時代は過去のものです。新規出店では遠方ならスタッフの家も確保しなくてはなりません。郊外より都心を優先出店先に、余程の案件でないと郊外出店は本社稟議が通らない(通せない)理屈も経営者としては胸の痛いほどわかります。
ディベロッパーでも床の空きや退店が目立ち始め、特にチェーン系SCでは増え続ける施設数にスタッフが追い付いていない姿も散見されました。リーシングで当たれども3高・3ないの原因でお断りを受けることが多く、手持ちのテナントリストではもう当たる先がない、昔良かった勢いのあったアパレルテナントが協議のテーブルにも乗ってくれない等大きなミスマッチが生じています。結果、弊社のような比較的規模が小さくても小回りの利き人脈のある会社への依頼が施設側から激増しました。全国には3,219SCが存在し、16万区画がありますが肌感では約1割程度の区画に空きがあるように感じます。当社が独自で実施した、「SC健康診断」でも約50SCほどに回答を頂きましたが同様の結果となり実感値の正しさを再認識する結果となりました。 ※ご希望の方にはSC健康診断結果をお渡ししています。

●SCにおける2020年という年からその先

来るべきオリンピック後、そして5年・10年後の商業施設はどうなっているでしょうか?
今回確信に近い想いをもったのは「間違いなく今の仕組みや形のままではSCは秩序が崩壊する」ということでした。メイン入口近くに賃料の高いアパレルを配置し、上層階に飲食を入れてサービス店舗は非メイン動線で賃料を多めに負担いただく・・・新業態という名で手先を変えた店舗で顧客の興味を引くような古い手法は通じなくなっています。デジタル化する時代、個々人の評価がSCの動線すら変えてしまう世の中で我々がすべきことはお客様をより正確に捉え自SCのマーケット規模に則った“オリジナルティのあるSC運営”です。
特に地方のSCで大手チェーン系モールSCのマネをする時代は完全に終わったと言って差し支えないと考えています。販促だけでなくMDもブランディングも、施設管理の手法すら常識を疑い必死に考え汗をかいた施設だけが生き残る世の中になる。そんな前兆を感じた今回のビジネスフェアでした。

●ディベロッパー社員教育の今

弊社でもリーシング・コンサルティング(マーケティング・戦略策定)などを手掛けていますが、同時にディベロッパー社員の皆さまにも改めてSCとは何か・自SCの勝ちパターンはなにかを考えて頂くため『SC大学』を開校します。外部企業は導入しない、コンサルティングなんて必要ないと通例から考える企業様も多いと思いますが、客観視できる外部企業しかできないことも多くあり、今回のビジネスフェアがその現実を物語っているようにも思います。ご縁あれば、お声がけ頂き一つでも多くの施設・店舗企業様に我々の熱い想いを伝える機会があることを願っております。

●最後に

最後になりましたが、オリンピックを迎える2020年。皆さまのご関係先SCにも一人でも多くのお客様が訪れ楽しい時間を紡ぐことを祈念しています。今回から始まりました私のコラムで一つでも小さな発見やきっかけが生まれれば幸いです。


『トリニティーズ・NEWS』の初回号、いかがでしたでしょうか。
ご意見、ご感想をぜひ、info@try-z.jpにお寄せください。